はい、どーも。kazuです。
あなたは「動物愛誤」という言葉を聞いた事があるでしょうか?「愛護」ではなく「愛誤」です。
昨今では、至る所で野良猫によるトラブルが起こっています。
その原因のほとんどが「動物愛誤」によるものであり、愛誤とは「誤った愛護方法」の事です。
職場でそういったトラブルの話を聞く事が多く、最近うさぎを飼い始めた私には関係ない話ではなくなっています。
今日はそういった「動物愛誤」のお話をしたいと思います。
なぜトラブルが起きるのか
野良猫に餌をあげるのは違法?
野良猫のトラブルのほとんどが、「無責任な餌やり人」から始まります。
あなたの近所にもいませんか?野良猫を可愛がるあまりに自分で餌を買って来て与えている人。
実はその行動が「愛誤」へと繋がる第一歩なのです。
「野良猫に餌を与えるな!!」という看板を見かけた事はありませんか?
実は野良猫に餌を与える行為は違法ではありません。しかしなぜそういった看板が貼られるのでしょうか。
それは「その場所で餌やりをされる事で迷惑を被る人がいるから」なのです。
野良猫による被害は糞尿などの衛生被害から爪での引っかき傷(家屋や車)など多岐に及びます。
餌やり人が餌をあげる事によって、その場所に多数の野良猫が集まり、その近隣がそういった被害の危機に晒されるため「野良猫に餌を与えるな!!」という看板が貼られるわけです。
なぜ野良猫に餌をあげるのか
ではなぜ餌やり人は餌をあげるのでしょうか。
ほぼ100%の方が同じことを言います。「かわいそうだから」と。ここが「愛誤」の始まりです。
「野良猫がかわいそう」という考えを否定するわけではありません。しかし本当に「かわいそう」だと思うなら、他にもっとできる事があるはずなのです。
まず第一に、自分で飼うという選択肢。これが真っ先に思いつくでしょう。しかし餌やり人はだいたい「うちでは飼えないから」と言います。
飼えない理由は色々あるでしょうが、本来「動物を飼う」というのは楽しい事が多い反面、面倒なこともたくさんあります。例えば糞尿の始末だったり、健康管理だったり・・・そういったことを放棄して「楽しい部分」だけ切り取っているのが「愛誤の餌やり人」です。そして「面倒なこと」を押し付けられているのは近隣の方という図式になるわけです。
それではトラブルになって当たり前ですよね?
次に、飼ってくれる人を探すという選択肢。これはなぜかやろうとしない人ばかりです。「なんで自分がそんなことをしなければいけないのか」という声もたくさん聞きました。それはまさに「可愛がるだけで他の事は考えない」という「愛誤」そのものですね。
餌やりをやめさせたい
こうして餌やり人によってハーメルンの笛吹きよろしく集められた野良猫の被害に悩む人はどうしたらいいでしょうか。
第一の願いは「餌やりをやめさせたい」ということだと思います。しかし、ちょっと待ってください!
猫は「動物愛護法」という法律により、飼い猫野良猫問わず愛玩動物として保護されています。この「動物愛護法」はズバリ欠陥だらけの法律で、おかしなところがたくさんあります。
「野良猫に餌をあげない」のはOKです。そりゃそうだ、自分の猫じゃないし。しかし「誰かが餌をあげているのをやめさせる」のは動物愛護法違反になります。つまり虐待であると。
実際に、餌やり人に餌やりをやめさせた事で損害賠償を支払う事になった判例もあります。
感情に任せて注意をする前に、一度冷静になって下さい。実は本当に「愛護」で餌やりをしている方もいるのです。
TNR活動とは?「地域ねこ活動」という活動がある
「餌をあげるな!」の前に、その餌やり人が何を目的に餌やりをしているのか、また「適正な餌やり」をしているかを確認して下さい。
一旦立ち止まって考え直して欲しいのは「野良猫自体は餌やりの有無に関わらず存在する」ということ。
もしかしたらその餌やり人は「野良猫をどうにかしたい」と思って餌やりをしている可能性があります。
TNRとは?
TRAP(捕まえて)NEUTER(不妊去勢手術をして)RETURN(元に戻す)活動を頭文字を取って「TNR活動」と呼びます。
これは主に野良猫が多い地区で動物ボランティアなどが行う活動で、今存在している猫には一代限りの命を全うしてもらうが子孫は残さない事で最終的に野良猫を減らすために行われている活動です。
警戒心の強い猫を捕獲するためには信頼関係を結ぶ必要があります。その手段として餌やりを行う事があるのです。
ボランティアによる餌やりの場合、無責任な餌やりとは違い「トイレの世話」や「野良猫による迷惑の巡回」が行われます。
そもそもなぜ野良猫がこんなに嫌悪されるのか?それはその繁殖力と、無責任な餌やりによる被害の一点集中化によるところが大きいのです。
TNRによって繁殖を抑制し、適切な管理を行う事で「元々いる野良猫」を「近隣住民に被害を及ぼさない猫」にすることが目的です。
餌やり人がそういった目的のために行っているのであれば、少し様子を見てみて下さい。
餌やりを止めても野良猫がいなくなるわけではありません。だったら長い目で見て将来的に野良猫が減っていった方が自然と被害もなくなって行くはずです。
地域ねことは?
TNR活動から1歩進んだ先に、「地域ねこ活動」というものがあります。
これはTNR活動によって繁殖できなくなったねこ達を、その寿命が尽きるまでの間はその地域の方で世話をするという考え方です。
野良猫との境界線が非常に曖昧ですが、「特定の飼い主がいない=野良猫」「地域のみんなが飼い主=地域ねこ」というような考えでいいと思います。
もちろんその為には地域全員の理解が必要ですから、容易な事ではありません。ねこが嫌いな人もいるでしょう。
しかし野良猫の寿命はおよそ5年程度と言われています。飼い猫に比べ栄養状況が悪く、常に交通事故の危険に晒されているためです。何がなんでも野良猫に厳しい目を向けるより、繁殖しなければその5年で終わる猫との生活も悪くないと考えた方がストレスもたまらないのではないでしょうか?
冷静に考えてみれば、生活に被害を与える野生動物はねこに限った事ではありません。同じように鳥のフンや嫌悪感のある昆虫に悩まされる事もあるでしょう。
なにかとクローズアップされるのが「野良猫」ではありますが、地域ねこ活動に参加する事でその原因を大きく減らす事もできるかもしれませんよ。
もしも餌やり人が「愛誤」の人だったら
しかし残念ながら餌やり人のほとんどは「愛誤」の人です。
もしもあなたの近隣で餌やりをしている人がそういった「無責任な餌やり人」なのであれば然るべき対処をすべきです。
上で述べたように自ら「餌をあげるな」と伝えるのは得策ではありません。逆に罪に問われる可能性がある上に、なぜか「無責任な餌やり人」は論理的な思考ができない方が多いです。
まずは行政に相談しましょう。役所や保健所も餌やりをやめさせる事はできませんが、「適正な管理」をするように指導する事はできます。
それで改善されれば良いのですが、残念ながらそうはならないことがほとんどです。
餌やり人が集めたねこから被害を受けたら
通常、動物から受けた被害は「自然災害」のようなものでどこに訴える事もできません。動物に責任能力はないですからね。
しかしそれが「誰かに飼われている動物」であれば話は別。当然その責任は飼い主が負うことになります。
もしもあなたが被害を受けたのなら、その証拠を多く取ってください。具体的には「写真」や「日記」などです。
その被害を飼い主に対して「損害賠償請求」することができるのです。
これは「動物愛護管理法」の「動物の飼い主等の責任」で定められています。
これ、実は野良猫の餌やり人にも適応されるのです!!
飼養者認定とは
動物の飼い主のことを法的には「飼養者」と呼びます。
その動物の世話や責任はその「飼養者」が負うというのが「動物愛護管理法」で定められているわけです。
そして野良猫の餌やり人、これも継続して餌やりを行っている場合は法的に「飼養者」として認められるのです。
無責任な餌やり人に適正管理を求めると、「自分の猫じゃない」と主張することがほとんどです。その場合ははっきりと伝えてください。
「法的にはあなたのねこなんですよ」と。
つまり、被害を出した時の賠償はもちろんのこと、常日頃の世話や病気になった時の対処まで餌やり人の責任になるわけです。
有名な事例では、最近テレビに引っ張りだこの棋士加藤一二三さんがかつて餌やりを理由に飼養者認定をされ、近隣住人からの訴えでおよそ600万円の支払いをしています。
ちなみに加藤さんはむやみに餌やりをしていただけでなく、上記のTNR活動を1人で行い野良猫の減少に努めていました。
適正な管理もしていましたが、それが「不十分だったこと」により賠償命令が出されています。
このように「野良猫への餌やり行為」は本人が想像している以上の責任がつきまとうという事です。
おそらく「無責任な餌やり人」はそこまで想像していないでしょう。
もしもあなたが無責任な餌やりに被害を受け、頭を悩ませているならそういった法的手段に訴える事もできることを頭に入れて下さい。
餌やり→即訴訟!は早計ですが、ここに書いたように行政への相談などを経ても改善がされないようなら被害が拡大する前に然るべき対処をした方が良いかもしれません。
最後に
野良猫によるトラブルは本当に多く、たくさんの自治体が対応に困っています。
しかし「猫が悪い」のではありません。
猫だって好きで野良猫に生まれたわけではないし、中には捨てられた飼い猫もいるでしょう。
トラブルを起こしているのはいつだって人間だということを忘れないで下さい。
人間によって起こされたトラブルは、人間が解決するしかないのです。
それを忘れてしまう事で、お門違いの怒りを猫にぶつける人が現れ、虐待される猫が後を絶ちません。
まずは実態を「理解する」ということ。それから何をすべきか「考える」ということ。
多くの人が向き合う事で野良猫問題は解決へ向かって行くのです。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。
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