ご無沙汰しています。kazuです。
複数の省庁が障害者雇用を水増ししていたというニュースが世間を騒がしていますね。
プロフィールにもあるように、私は病気が原因で30代にして障害者になりました。
結果としてそれまでの仕事を継続するのが不可能だったため退職し、現在は完全に畑違いの仕事に就いています。
今でこそ安定して仕事を出来ていますが、闘病が終わりいざ社会復帰と思った時には不安でいっぱいでした。
「こんな体で雇ってくれる職場はあるだろうか」
「もしも就職出来てもきちんと働けるだろうか」
挙げたらキリがありませんが、今まさにそういった悩みに頭抱えている方もいるでしょう。
人生は何が起こるかわかりません。昨日まで健康だった人でも、もしかしたら今日事故にあったり急病で明日には障害者になってしまうかもしれません。
今日は障害者雇用についてその現実と、私が思うことを少々書いていこうと思います。
障害者雇用のルール
世の中には「障害者雇用」という言葉があり、障害のある人でも仕事に就けるように配慮されています。
これは「障害者雇用促進法」という法律に基づいて決められたもので、そこには様々なルールがあり、大企業や中小、零細では少し違ったものになっています。
大企業の場合
ここでの大企業というのは「従業員数45.5人以上の企業」のことです。
その規模の企業は「法定雇用率以上の人数の障害者を雇うこと」が義務付けられています。
小数が出ているのはその「法定雇用率」が2.2%であり、45.5人以上から割合的に1人は障害者が雇い入れられるという計算からですね。ちなみに行政機関や教育機関は少し高めに設定されており、それぞれ2.5%と2.4%になっています。
その雇用率に届かない場合、足りない人数に応じて罰金の制度があります。それなりの規模の企業は社会的な貢献も義務付けられるということですね。
中小、零細企業の場合
「障害者を雇わないと罰金」の大企業に対し、45.5人に満たない規模の会社は「障害者を雇ったら助成金」の制度になっています。
具体的には50万円から240万円程度(障害の度合いや雇用条件に依る)の助成金が1〜3年に分けて支給されます。
障害の内容によっては1人分の作業をこなせない場合もあると思います。そういう人でも助成金があることで雇用側も雇い易くなるでしょう。
中には2年サイクルで障害者を雇用→退職させ助成金目当ての悪質な会社もあるようですが、障害者の立場からすればそういった制度目当てであっても雇用の間口が広がるのは非常に助かります。
実際のところは・・・?
さて、ここまでは建前部分です。あくまで「法律でこう決まっている」というだけの話で、それが世にどれだけ浸透しているかは別の話ですから。
極端な言い方をすれば、大企業は「罰金さえ払えば障害者は雇わなくてもいい」、中小企業も「助成金なんていらないから健常者を雇いたい」と思ってしまえば全く意味のない制度になってしまいます。
障害者になった私が就職活動をした際には色々と思うところがありました。
地方は厳しい
ひと昔前に比べ、景気はだいぶ上向きになってきました。しかし未曾有の不景気を経験した今の管理職世代はまだまだ気を緩めるわけには行かないでしょう。
そういったことからかは分かりませんが「地方の企業」はまだまだ障害者雇用には消極的に感じました。
私も絶賛田舎住まいですが、ハローワークに掲載される「障害者求人」はホントにわずかなものでした。条件の面でも「最低賃金での時給雇い」がほとんどです。
選り好みする訳ではありませんが、私自身は家庭を持って生活もあったためとても「ここにしよう」と思える職場はありませんでした。
都会ほど豊富
一方、都会に近づけば人口比率や大企業の割合から当然ですが障害者求人も増えていきます。
地元でなかなか仕事の見つからない私は、何度も都会に出ようと思いました。仕事の面だけでなく、生活の面においても都会の方が障害者に優しい作りとなっており、魅力的に見えたからです。
私の住んでいる地域は田舎ですが幸いにも首都圏には近く、車で1時間も走れば神奈川県に入ることができます。
しかし独り身ならまだしも、家族ごと新天地へ・・・というのはなかなか厳しく結局は断念しましたけどね。
「障害者」であれば良いわけではない
「障害者になれば大企業に就職できる」という話を聞いたことがあります。
確かに中小企業に比べれば大企業、それも一部上場しているような企業の方が障害者雇用には積極的と言えます。
これは前述した「促進法によるペナルティ」もありますが、それ以上に「企業イメージ」というものが関係しているでしょう。
先日放送された24時間テレビに代表されるように、日本人は極めて「美談」的なものに弱い。さらに少し穿った見方になるかもしれませんが「障害者=弱者」という構図は既に完成されたものであり、その弱者に手を差し伸べることは非常にイメージの向上に繋がるわけです。
さらに企業は大きければ大きいほど当然会社としての体力もあるわけで、通常の新入社員以上に未知数の部分が大きい「障害者」を雇い入れる余裕もあるということですね。
しかし、そういった「上場企業の障害者枠」に入れるのは当然一部の人間だけです。
当たり前と言えば当たり前ですが、障害者枠で「応募」するのに「障害者」であることは最低条件なだけであって、そこからさらに「採用」に至るには学歴や経歴、スキルなどが要求されます。
いつの間にか一部の方々が「障害者であることが何か特別なこと」と勘違いしてしまい、ひいては「助けられて当然」、「良い待遇を受けて当然」と思ってしまったのが「障害者になれば大企業に就職できる」という幻想を生み出してしまったのでしょうね。
障害者が仕事につくための方法
最後に、障害者が仕事につくためにはどうしたら良いのでしょう。
私も非常に苦労しましたが、今ではきちんと職につけています。給料面では大満足の金額とは言えませんが、家族で食っていくのに困らない程度の稼ぎはあります。
障害者が仕事を探す方法はざっくりと
- ハローワークの障害者求人を狙う
- 行政の社会福祉課などで相談をする
- 不定期で開催される「障害者雇用の集団説明会」に参加する
- 自身が持っているスキル(あるいは今後身につけるスキル)で独立する
といったあたりでしょうか。
私の場合はハローワークではなかなか見つからなかったものの、以前書いた「住宅確保給付金」を受給する際のプログラムで今の職場を紹介して頂きました。
大事なのは「障害者だからどうせ無いだろう」などと思わず、行動をすること。そしてアンテナを横に横に伸ばしていくことだと思います。田舎ならなおさらですね。
もし障害者用の求人でなくても、自分の障害箇所などを考慮の上で無理が無いようであれば事情を説明して応募してみるのも1つの手かもしれません。
上で書いたように障害者の雇い入れは企業にとってもメリットがあることですし、意外とすんなり受け入れてくれるかもしれませんよ。
※在宅ワークという方法もありますね。↓のように登録しておけば仕事を斡旋してくれるサイトもあるのでオススメです。
まとめ
障害者の雇用については今後も国レベルでの課題となっていくことと思います。
健常者の方々への理解もだんだんと深まっており、状況は良くなっていってると思いますがそれでも厳しいのが現状です。
「障害者なんだから優遇を」とは言いません。せめてチャンスを与えてもらえるような国になっていって欲しいと願い、記事に認めました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
それでは、また。
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