こんなはずじゃなかった!?太陽光発電システムを導入する前に考えたいこと


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こんにちわ、KAZUです。

再生可能エネルギーの有効利用が叫ばれる昨今、家庭用の太陽光発電システムの普及が以前にも増しているように感じます。

むしろ最近では「新築なら導入して当然」と錯覚してしまうほどに当たり前につけられていますね。

しかしその「当たり前」の裏側で「こんなはずじゃなかった」と思っている人も結構いるの、知ってましたか?

何かを決める時に1番危険なのは、よくわかっていないものを流されて決めてしまうことです。

本記事で、以前太陽光発電システムの仕事に携わってた私が「こんなはずじゃなかった!」と思われるいくつかのポイントをまとめて行きます。

HEMS導入は今ではない?費用やメリット・デメリット、補助金も貰える?

2018.05.06

太陽光発電とは?

この記事を読もうと思ったあなたには今更かもしれませんね。

太陽光発電システムとは「ソーラーパネル(モジュール)」に太陽光が当たることで発生する電力を家庭内で使おうというシステムです。放っておいても太陽光は降り注ぐわけで、それを利用する太陽光発電は非常にクリーンなエネルギーですね。

ソーラーパネル以外にも発電した電力(直流)を交流に変換する「パワーコンディショナー」や、いくつかの系統を統合する「接続箱(最近ではパワーコンディショナーと一体型も)」などを合わせたシステムのことを一般的に「太陽光発電システム」と呼びます。

発電量はソーラーパネルを何枚載せるかで決まり、「10kw以上が事業用、10kw未満が家庭用」とされています。家庭用は事業用に比べて買電単価などで優遇されています。

「じゃあ、10kw未満に抑えないと!」と思った方。大丈夫です。一戸建てに10kw分ものソーラーパネルは面積の関係上、普通は乗りません。せいぜい5kwほどでしょうか。(大豪邸であるなら別ですが・・・)



「こんなはずじゃなかった!」を知る前に

まず最初に、「なぜ太陽光発電を導入するのか」を理解しないといけません。「こんなはずじゃなかった」と思うのは、導入しようと思った「きっかけや動機」に裏切られた時に起こるからです。

太陽光発電のメリット

①発電した電力を家の中で使用できるため、電気代が安くなる。

これはまぁ、そのままですね。発電した分、電力会社から買う電気は減りますから。

②余った電力を売ることができる。

これも今や周知の事実ですね。これに魅せられて導入を決めた人も多いのではないでしょうか。

③停電しても電気が使える。

う〜ん・・・まぁ事実っちゃ事実なんですけどね。ここの「解釈(説明)の仕方」で「こんなはずじゃなかった」が起こっています。

「こんなはずじゃなかった!」メリットの勘違い

いよいよ本題です。メリットの勘違いから起きる「こんなはずじゃなかった」を紹介しましょう。

①の電気代については、事前のシミュレーションをしっかりとすればそんなに思い違いもしないでしょう。重要なポイントとしては「太陽光発電システムは天気に左右される」という部分をしっかりと理解することですね。シミュレーションはあくまでシミュレーション、平均はあくまで平均であって、雨の日や曇った日が多いと思うように発電量が伸びないのは当然のこと。それをきちんと理解しましょう。

②の売電について。ここにいくつか注意するポイントがあります。

・余剰電力=発電総量ー使用総量ではない

たま〜に勘違いしている人がいます。例えば1ヶ月で発電した総量が300kw、1ヶ月間家で使った電気が200kwだった場合でも、売電量(売った電気量)が100kwになるとは限りません。

なぜなら太陽光発電システムで発電した電気は原則、発電した瞬間にリアルタイムでしか使用できません。そのリアルタイムに使い切れない分が売電に回るのです。もし発電した電気を後で使いたい場合には「蓄電池」というものが必要になります。こちらも最近は一般家庭にも普及していますね。

つまり、発電をしている昼間に家にいる(電気をよく使う)人は売電量少なめ、電気代が安めになり、昼間に家にいない(電気をあまり使わない)人は売電量が多くなり、電気代もそんなに安くならないということです。

・余剰電力の買取価格はずっと同じではない

前述しているように、使い切れない電力は電力会社が買い取ってくれるのですが、その価格は変動しています。

皆様「FIT法」というのをご存知でしょうか?もし太陽光発電システムの導入を検討していてそれを知らないのであれば要注意!1度勉強した方が良いと思います。

ざっくりと説明すると、太陽光発電システムの導入を促進するために「導入後10年間は特別に余剰電力の買取価格を高くし、なおかつ固定する」というものです。

ちなみに平成30年度は1kwあたり「26円」となっており、平成30年度に太陽光発電システムを導入し、諸々の手続きを済ませれば以降10年間は余剰電力を26円で買い取ってもらえるわけです。

例えば東京電力から電気を買った場合およそ17円から25円(スマートライフプランの場合)なので、買う電気より売る電気の方が高くなります。

しかしこの固定価格そのものも年度ごとに変化しており、平成29年度にシステム導入した場合は「28円」、来年の31年度にシステム導入なら「26円」に決まりました。つまり右肩下がりになっているのですね。ちなみに私の実家は10年近く前に導入したのですが、その当時の固定買取価格はなんと50円近い金額でした。

まぁ、過ぎてしまったことを言っても仕方ありません。問題は固定買取期間の10年間が過ぎた後です。

来年がちょうど固定買取制度が始まって10年が経過する年であり、早期に導入した人は固定買取期間が終わることを意味しています。

それでは固定買取期間が過ぎるとどうなるのでしょう?実は固定買取期間後は電力会社の余剰買取義務が無くなります。つまり余った電力が売れなくなる可能性もあるということ。

流石にいきなりそんな流れにはならないと思います。しかしまぁ、当たり前ですが買取価格がぐ〜んと下がります。

現在は固定買取期間が過ぎた後の余剰電力について色々と検討されていますが、約束されていることは何もありません。

導入する時には「売電での利益が見込めるのは10年間だけ」と思っておかないと、「こんなはずじゃなかった!」となりかねませんね。

最後に③の「停電時にも使える」という点について。個人的にはココが1番勘違いされているように思います。

・停電時にも電気が使えるよ!ただしコンセント2個分くらいだけね!

導入のきっかけとして、「停電時にも使える」と思って決めた人、いませんか?

それって間違いではないんです。でも勘違いしている人が大多数なんです。

太陽光発電システムは自家発電システムですから、いわゆる「停電時」でも発電分は使うことができます。

しかしそれでみなさんがイメージする「使える」ってどういうことでしょう?きっと「停電しても非停電時と変わらず、照明も灯くしテレビも見れる」って思ってませんか?

実はそれ、間違いなんです。

太陽光発電システムには「連係運転」と「自立運転」の2つのモードがあり、通常時(非停電時)は電力会社が供給する電気のサブとして電力を供給するため、分電盤を通って各コンセントへ電力を供給します。(連係運転モード)

停電時にはその「連係運転モード」は使用できなくなり、分電盤を通じて各コンセントへ電力を供給できなくなるのです。

ではどうしたらいいでしょうか。停電時には「パワーコンディショナー」についている「モード切り替えスイッチ」で「連係運転」から「自立運転」へと切り替えます。

するとパワーコンディショナー脇についているコンセント(普通は2口程度)に電力を供給できるのです。つまり停電時に使用できる電力はたったそれだけ。

「ウチは太陽光発電がついているから、停電時でも快適♪」なんてことはありえません。

むしろ停電が起きたのが太陽光発電が稼働している昼間の場合、さほど困ることもないでしょう。発電しているくらいなら照明はつけなくても明るいでしょうし、情報が欲しければ今はスマホがありますし。

むしろ夜に停電が起きると不便なことが多いと思います。しかし夜には当然太陽光発電システムも発電をしていないので、使える電力は全くありません。

つまり

停電時には太陽光発電システムは大して役に立たないということです。

ここを理解しておかないと、有事の際に「こんなはずじゃなかった!」となってしまいますね。



太陽光発電のデメリットを理解しよう

便利な部分も多いですが、一方でデメリットもあります。当然ですね。ここを理解しないと「こんなはずじゃなかった」になってしまいます。

これについても詳細を書こうと思いましたが、記事が思ったより長くなってしまったので今回は割愛しようと思います。

悪い噂って結構伝わるので、否定派の方達によってデメリットは散々議論されるくしているでしょうし。

大切なのは全部を鵜呑みにしないことです。確かにデメリットはありますが、きちんと理解した上で導入を決めれば「こんなはずじゃなかった!」とはならないのではないでしょうか。

まとめ!

随分と否定的な記事になってしまいましたが、私自身は太陽光発電システムの導入には肯定的です。

ほんのちょっと、システムについて「勘違い」している人が多い気がしたので、記事にまとめました。

金銭的なメリットもそうですが、太陽光発電については「ピークカット」というメリットもあります。これは目に見えるものではありませんが、本来一人一人が向き合うべき環境保全問題に大きく貢献します。

メリットデメリットをきちんと理解した上で、予算に合うようなら積極的に導入を検討してみてはいかがでしょうか?

それでは、また。

 


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